- 英検1級ライティングは高得点が狙いやすいってホント?
- 英検1級ライティングの勉強をしても「8割以上」取れないけど、どうしたらいいの?
- 英検1級合格者はライティング対策で何をしているの?
英検1級ライティングで「8割以上」の点数を獲得し合格した私が「おすすめ参考書」と「勉強法」について解説します。

英検1級のライティングでは、「論理力」「思考力」「英語の表現力」が総合的に問われます。
時間がない中でポイントを意識して英作文しなければならないため「焦り」も生じます。
私も30歳を過ぎて大学生ぶりに受験したときは表現が思いつかず、最後まで書き切ることができませんでした…。
そこからコツコツと勉強し直し、「2023年度 第3回試験」で「合格」することができました。
本記事では、英検1級ライティング対策で必要な「考え方」や「勉強法」について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、英検対策の参考にしてください。

前提|2024年度から問題形式リニューアル
私が英検1級に合格した2023年度 第3回試験は、リニューアル以前の問題形式です。
本記事も「リニューアル以前」を前提としています。

リニューアル後の英検1級も受験予定のため、合格したあとに記事内容もブラッシュアップします。
リニューアル前・リニューアル後のライティング問題の違い


リニューアル前の英検1級ライティングは「意見論述」の問題が1題のみでした。
与えられた「トピック」に対して「賛成」「反対」の立場を明確にし、「200〜240語」で英作文を行います。
イントロダクション・ボディ・コンクルージョンという英語のエッセイでよく用いられる枠組みを使って英作文をします。
賛成・反対の立場をサポートする理由も3つ述べる必要があります。
2024年度からは、「意見論述」に加えて「要約問題」が加わりました。
要約問題では「約300語」の英文を読み、その内容を「90〜110語」にまとめます。
ライティング問題が1問から2問に増え、リーディング問題は41問から35問に減っています。
裏を返せば「ライティングのでき次第で合格を大きく手繰り寄せられる」ということです。



試験がリニューアルされましたが、ライティング対策の「基本」は変わりません。
英検1級ライティングとは?|試験構成・配点
英検1級のライティングでは、与えられたトピックに対して立場を明確にし、3つの理由を挙げて論理的に回答します。
リニューアル前の配点ですが、下記のような構成になっていました。
- 配点:32点満点(4技能中最大)
- 評価観点:内容(Content)、構成(Organization)、語彙(Vocabulary)、文法(Grammar)各8点
ライティングは配点が高く、リスニングやリーディングで多少ミスをしても、ライティングのおかげで「合格」に届くケースもよく見られます。
英検1級ライティング対策におすすめの参考書
下記の記事にも書いているのですが『旺文社』の参考書が「王道」です。


さまざまな参考書にお金を費やしたのですが、1周して『旺文社』の参考書に戻ってきました。
今後、「要約問題」に対応した参考書も出版されると思いますが、基本的な対策はこれで十分だと思います。



「過去問」を解くだけでも十分な対策になります。
英検1級ライティングで高得点を取るために


細かいテクニックよりも、下記のポイントが大切だと考えています。
- 「語彙力」を磨いておくこと(10,000〜12,000語程度は必要)
- ライティングで使える表現を増やしておくこと(オシャレな表現ではなく、堅実な表現を心がける)
- さまざまなトピックに対応できる「知識」を身に着けておくこと
- 「論理的思考力」を磨いておくこと(ロジカルな構成で作文できれば、高得点を狙えます)
語彙力を鍛える
英検1級に合格するためには「語彙力強化」は必須です。
ライティング対策では、レベルの高い英単語を無理に使う必要はありません。
しかし、平易な表現ばかりでは内容も「稚拙」に見え、点数が伸びません。
1〜2文に1つは「英検1級レベル」の単語を使用したいところです。
語彙力の鍛え方としては『パス単』と『でた単』アプリの二刀流がおすすめです。
『でた単』については、下記の記事で詳しく解説しています。


ライティングで使える表現を増やす
「語彙を増やす」というのは「インプット」寄りの考えです。
一方で、「ライティングで使える表現を増やす」というのは「アウトプット」に重きを置いた考え方です。
アウトプットは、自分が思っているより「意識的に」練習する必要があります。
英語のエッセイで使われるパターン・表現・構成を意識して練習しておけば、本番で「悩む時間」を減らすことができます。
「過去問」や「参考書」の「模範解答」を見て、それを真似してライティングする練習をしておくと、ライティングで使える表現が増えます。



模範解答ほど高度な語彙を使わなくても十分に合格できます。
自分が使える表現でパラフレーズする練習もしておきましょう。
さまざまなトピックに対応できる「知識」を身に着ける
英検1級になかなか合格できない人の中には「英語力は足りているのに合格できない」という人がいます。
原因は「背景知識」の不足です。
書籍を読んだり、YouTubeで勉強したり、日頃から英語でニュースを見る・聞く習慣をつけるなどの対策が必要です。
リーディングで「英語は読めるのに正解にたどり着けない」という人も「知識不足」の問題に陥っている可能性が高いです。
背景知識の「強化方法」については、下記の記事にも書いていますので、ぜひ参考にしてください。


「論理的思考力」を磨く
英検1級のライティングでは「論点」を押さえて「ロジカル」に記述することが大切です。
語数も「200〜240語」と限られており、時間的にも語数的にも無駄な表現を削る必要があります。
私は日常会話でもブログ記事でも「冗長」になりがちだと自覚しています。
話が逸れたり、例え話が多くなったりしてしまいます。
日常生活においては特に支障はありませんが、英検1級ライティングとなると話は別です。
- 冒頭で「自分の立場」を明確する
- 自分の立場を指示する理由を「簡潔に」記述する
- ストレートでわかりやすい「例え」を記述する(ここが冗長になりがち)
- 結論を改めて「明確」に記述する(冒頭とは表現方法を変える工夫が必要)
英語で多くのことを表現できるのは良いことですが、限られた試験時間の中では瞬時に「取捨選択」することが求められます。
ライティングの練習の中では「冗長かも」「無駄かも」と思う表現があれば、勇気を持って削りましょう。
論旨がブレにくくなりますし、ライティング・スピードのアップにも繋がります。
英検1級ライティング おすすめの勉強法
英検1級のライティングを勉強しているレベルの人は、問題演習を繰り返せば点数を取れるようになると思います。
とはいえ、それではあまりにも具体性がないので、私が行った対策方法を紹介します。
一ノ瀬 安(いちのせ あん)先生のYouTubeを見る
一ノ瀬 安先生は「日本一」の英語講師を目指され、YouTubeでも数多くの有益な情報を発信してくれています。
英検1級ライティングで頻出のトピックについて解説してくれていたり、ライティングでの「高得点の取り方」について詳しく解説してくれています。
「英検1級ライティング」「英検1級 二次対策(スピーキング)」では一ノ瀬先生のYouTubeに大変助けていただきました。



「背景知識」を増強するうえでも一ノ瀬先生のYouTubeはとても有益です!
「過去問」を3回分解く
知識やライティングのコツをインプットしたところで実際に英検1級のライティング問題にチャレンジします。
まずは手始めに「3回分」の過去問を解きましょう。
ここでは思うようにライティングできなくても気にする必要はありません。
はじめからライティングのセンスがある人もいますが、「インプット」と「アウトプット」は別物です。
一般的には「アウトプット」のほうが難易度が高いので、「うまく表現できない」ことを気に病む必要はありません。



思うようなライティングができなくても「まずは書いてみる」ことが大切です。
模範解答を見て「自分ならどんな表現で書くか」を考える
模範解答を見ると「こんなキレイな解答は書けないよ…」と思うはずです。
しかし、キレイな解答ができないと本番で高得点を取れないわけではありません。
- 立場が明確
- 論旨が一貫している
- 立場をサポートする理由が明確で内容に矛盾がない
- バランスよくレベルの高い語彙を使用できている
これらを満たすことができていれば、十分に高得点を狙えます。
あまりにキレイな「アカデミック・ライティング」を目指す必要はありません。
そのため、模範解答を見たうえで「自分が使える表現でどうパラフレーズできるか」を考えるのが重要です。
「自分の表現」を持っていないと、本番など余裕のない状況ではうまくライティングできません。
模範解答よりも2段階も3段階もレベルを落としていいので、自分が使える表現でパラフレーズする練習をしておきましょう。
時間を測って問題集を解く
英検1級は時間との闘いでもあります。
しっかりと時間を測りながら「問題集」に取り組みましょう。



はじめのうちは時間内に解き終わらなくても大丈夫です。
「論旨の繋がりが見えない」「冗長な表現が見えない」「的確に語彙を配置できない」うちは時間が掛かりますが、徐々にパターンに慣れてきます。
再び「過去問」に取り組み、自分のライティング・スタイルを作り上げる
英語の「アウトプット」にはその人のクセ(スタイル)が出ます。
例えば、私の場合は”It is 形容詞 for 人 to 〜”という表現をよくクセで使います。
英検1級のライティングでは同じ表現を何度も繰り返すことはNGですが、「自分のライティング・スタイル」を作っておくことは大切です。
- 使いやすい表現を持っておくと悩む時間を減らせる(タイムロスを防げる)
- スタイルに当てはめることで、スムーズに文章を書き出せる(余分な脳のリソースを使わなくて済む)
上記の点でメリットがあります。
過去問に取り組む中で「自分のスタイル」を作り上げておくことと、「この問題にはこのように解答を返す」と決めておくことで、効率的にライティングできます。



自分のライティング・スタイルを構築しておくと二次試験(スピーキング)対策にもなります!
英検1級「ライティング脳」を作る思考トレーニング
英検1級のライティングやスピーキングでは、英語力だけでなく、「論理性」や「知識」も問われます。
日常的にこれらを意識できていると、英検1級ライティングもそこまで高い壁にはなりません。



日頃から取り組めることを簡単に紹介したいと思います。
ニュースを見たら即立場を決める
ニュースを見たり、何かしらのネット記事・新聞を読んだ際に「自分の考え」を持つクセをつけるようにすると、英検のライティングで役立ちます。
英語にできなくても、「立場」+「それをサポートする理由」は必ず考えるようにすると、ライティングの際の構成の組み立てに役に立ちます。
日常会話での「論理展開トレーニング」
日常会話でもロジックを意識しておくと、英検1級のライティングやスピーキングで役に立ちます。
さすがに毎回、友人との会話で「主張→理由→具体例」を意識していると、楽しい会話ができないと思います。笑
しかし、「自分の話し方が冗長だなぁ」と感じるときは「ロジックを意識して」会話をしてみましょう。
まとめ|英検1級ライティングで「高得点」をつかんで「合格」へ
英検1級ライティングに「苦手意識」を持つ人もいます。
一方で「テクニック」でカバーして「8割位上」を狙うことも十分に可能です。
「リーディング」や「リスニング」でミスをしても「ライティング」でカバーできますし、新形式になってからますます「ライティング」の重みが大きくなりました。
- ライティングで使える表現をストックしておく
- 背景知識を増やすために、ニュースやアカデミックなトピックに触れるようにする
- 論理的な話題提供ができるように日頃から思考整理してアウトプットする
- 自分のライティング・スタイルを作り上げ、瞬時に英作文できるようにする
これらのポイントを意識しながら過去問を解くだけでも大幅にスキルアップできるはずです。
今後、私も新形式の試験にチャレンジする予定です。
順次、情報も最新にアップデートしますので、ぜひ楽しみにしてお待ちください。
コメント