- 英検1級の単語、覚えたはずなのに翌日にはもう忘れている…
- パス単を何周しても、なかなか記憶に定着しない
- 「覚え方」そのものが間違っている気がする
- 1語1語を確実に記憶に残すテクニックが知りたい
英検1級の単語学習で多くの人がぶつかるのは、「スケジュール」や「計画」の問題ではなく、「そもそも1語をどう覚えるか」という覚え方そのものの問題です。
どんなに完璧な学習計画を立てても、1語を記憶に刻む「やり方」が間違っていれば、何周しても定着しません。
私自身、パス単を使った英検1級対策で何度も挫折しかけました。
しかし、覚え方を変えたことで、同じ単語帳・同じ学習時間でも定着率が劇的に変わった経験があります。
この記事では、スケジュールや計画の話は最小限にとどめ、「1語を確実に頭に入れる」ための具体的なテクニックに絞って解説します。
- 英検1級の単語が「普通の覚え方」では定着しない理由
- 1語を記憶に刻む6つの具体的テクニック
- 覚えにくい単語を攻略するための3つの「裏ワザ」
- やってはいけないNG暗記法
学習スケジュールや単語帳の「周回計画」について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

執筆者の実績は下記のとおりです。
詳しく知りたい方は、ぜひプロフィールをご覧ください。

英検1級の単語が「普通の覚え方」では定着しない理由
「英単語→日本語訳」を繰り返す。
英検2級や準1級まではこの方法でも十分に対応できた人が多いはずです。
しかし、英検1級では、この「普通の覚え方」だけでは記憶に残りにくいという「壁」にぶつかります。
その原因を理解しておくことが、正しい覚え方を身につけるための第一歩です。
原因①:日本語訳そのものがピンとこない
英検1級の単語が覚えにくい最大の原因がこれです。
例えば、パス単に収録されている以下の単語を見てください。
| 英単語 | パス単の訳語 |
|---|---|
| rebuff | 拒絶する、はねつける |
| juxtapose | 並置する |
| cajole | 言いくるめる |
| debilitate | 衰弱させる |
| acquiesce | 黙従する |
中には少し極端な例(訳語)もあるかもしれませんが、日常会話ではまず見かけない日本語も多い印象です。
英検1級はアカデミックな内容のため、学術系の雑誌や論文、硬い新聞では見かける表現が頻出します。
私たちが英単語を覚えるとき、「英語→日本語」の橋渡しで記憶しています。
しかし英検1級では、その橋渡しの先にある日本語そのものがピンとこないため、記憶のフックがかかりません。
「apple=りんご」はすぐ覚えられるのに「acquiesce=黙従する」が覚えられないのは、記憶力の問題ではありません。
「黙従する」という日本語に馴染みがないからです。
HITO私も最初は「何て読むんだこれ…?日本語の意味すらわからない…」の連続でした。
しかし、これは「ほぼ全員が通る道」なので、安心してください。
原因②:文字情報だけで覚えようとしている
多くの人は、単語学習を「目で見て→頭で覚える」という視覚情報だけの作業にしてしまっています。
しかし、脳科学の研究では、複数の感覚を同時に使ったほうが記憶に残りやすいことがわかっています。
目で見るだけの学習は、いわば脳の1チャネルしか使っていない状態です。
声に出す(口)、自分の声を聞く(耳)、イメージする(脳の別領域)、書く(手)。
こうした複数チャネルを同時に使うことで、記憶の定着率は大きく向上します。
原因③:単語を「点」で覚えている
「manipulate=巧みに操る」のように、英単語と日本語訳を1対1の「点」で結びつけるだけの覚え方も、定着しにくい原因のひとつです。
単語は本来、文脈の中で使われるものです。
- 「どんな場面で使われるのか」
- 「どんな単語と一緒に使われるのか(コロケーション)」
- 「どんなニュアンスがあるのか」
こうした情報を含めて「線」や「面」で覚えることで、格段に記憶に残りやすくなります。
【実践編】1語を確実に記憶に刻む|6つの覚え方テクニック
ここからが本題です。
英検1級の単語を「ただ眺める」学習から「確実に頭に入れる」学習に変える「6つの具体的テクニック」を紹介します。
私が実際にパス単を使って英検1級に合格したときの方法を、そのままお伝えします。
テクニック①:1語にかける時間は「最長2分」で切る
まず大前提として、1語に長時間かけないことが鉄則です。
理想は「1語1分」。どんなに粘っても最長2分で次の単語に移ります。
「もうちょっとで覚えられそう…」と粘りたくなりますが、ここはグッとこらえてください。
なぜ時間を区切るのか?理由は3つあります。
1語2分でも50語なら100分。
1語5分かけると250分(約4時間)になり、継続できません。
記憶は反復で定着します。
1回5分より、1分×5回のほうが効果的です。
「覚えられるかな…」という不安が入り込む隙を与えず、テンポよく進めることが継続のコツです。
タイマーを2分にセットして、鳴ったら問答無用で次へ。
この「作業化」が、英検1級の膨大な語彙を乗り越えるカギです。
テクニック②:10回発音して「音」を体に染み込ませる
単語を目で見るだけでは、記憶への定着は弱いです。
必ず声に出して発音しながら学習してください。
私は1単語につき約10回、声に出して発音していました。
「10回も?多くない?」と思うかもしれませんが、1回の発音は1〜2秒です。
10回でも15秒程度。たったこれだけの投資で、定着率が大きく変わります。
声に出すことで、目・耳・口の3つのチャネルが同時に働きます。
黙読だけの学習は、この3チャネルのうち1つしか使っていません。
声に出すだけで脳への入力が3倍になると考えれば、やらない理由はないでしょう。



電車の中など声を出せない環境では、口パクでもOKです。
テクニック③:発音しながら「頭の中でイメージ」を描く
10回発音するとき、ただ機械的に繰り返すのではなく、「意味のイメージ」を頭の中に描きながら発音するのがポイントです。
このテクニックが、6つの中で最も効果が大きいと私は感じています。
具体例で説明しましょう。
「manipulate, manipulate…」と発音するだけでは、記憶に定着しづらいです。
「人形師が糸で人形を操っている場面」や「詐欺師が巧みな話術で相手を丸め込んでいる場面」を頭に思い浮かべながら発音します。
「demolish=取り壊す」と文字で覚えるのではなく、「重機がビルをガシャンと壊している場面」をイメージしながら発音します。
「早朝の湖面が鏡のように静まり返っている場面」を思い浮かべます。
静けさ、空気の冷たさなど、五感を総動員してイメージすると「serene」という音と「穏やかさ」が強く結びつきます。
人間の脳は文字情報よりも映像情報のほうが圧倒的に記憶に残りやすいです。
どうしてもイメージが浮かばない単語は、Google画像検索でその英単語を調べてみてください。
テクニック④:例文を必ず1回は音読する
パス単の見開きページ右側には、その単語を使った例文が掲載されています。
この例文を、最低1回は声に出して音読してから次の単語に進んでください。
「例文を飛ばして単語だけ覚えたほうが速いのでは?」と思うかもしれませんが、むしろ逆です。
例文を音読することで手に入る情報は、単語帳の訳語だけでは得られないものばかりです。
例えば “impose sanctions on 〜”(〜に制裁を課す)という例文を読むことで、imposeが「sanctions(制裁)」「restrictions(規制)」「ban(禁止)」などと一緒に使われることが自然にインプットされます。
その単語が、動詞として使われるのか・形容詞として使われるのか、主語は人なのか・物なのか、例文を通してこうした情報が身につきます。
例文の音読は、語彙問題だけでなく長文読解やエッセイライティングにも間接的に効果があります。
例文の音読は、たった15〜30秒の投資です。
この短い時間が、「点」の記憶を「線」に変えてくれます。



「その単語が文章の中でどう使われるのか」「どんな単語と共起するのか」を知ることで、イメージがガッチリ固まります。
テクニック⑤:例文の主語や目的語を入れ替えて「作文」する
余裕があるときだけでOKですが、例文を真似して自分でも簡単な作文をすると、定着率がさらに上がります。
「作文」と聞くと大変そうですが、やることはシンプルです。



例文の主語や目的語を少し変えるだけで十分です。
パス単の例文: “The government imposed sanctions on the country.”
自分の作文: “The school imposed a new rule on the students.”
たったこれだけでOKです。所要時間は15〜30秒です。
受動的に情報を受け取るよりも、自分の頭で情報を組み立てたほうが、記憶に残りやすいです。
例文をそのまま音読するのは「受動的な学習」。主語を入れ替えて作文するのは「能動的な学習」。
この小さな違いが、記憶の深さを大きく変えます。



作文のステップは余裕がないときは飛ばしてOKです。
テクニック⑥:2周目以降は「思い出す」作業を最初にやる
これは少し毛色が違うテクニックですが、2周目以降に非常に効果を発揮します。
やり方は簡単です。
2周目以降にその単語に出会ったら、まず訳語を隠して「意味を思い出す」作業を3秒やる。
- 3秒以内に意味が出てきた → 覚えているので、次に進む。
- 3秒以内に出てこなかった → まだ定着していないので、テクニック②〜⑤を再度実施。
この「思い出そうとする」行為が、実は記憶の定着に最も効果的なトレーニングです。
心理学では「アクティブリコール(想起練習)」と呼ばれ、ただ眺めるだけの復習よりも記憶の定着率が数倍高いことが研究でわかっています。
「見て確認する」のではなく「思い出してから確認する」。
この順番を変えるだけで、同じ周回でも効果がまったく違ってきます。
覚えにくい単語を攻略する3つの「裏ワザ」
6つのテクニックを使っても、どうしても覚えられない単語は必ず出てきます。
そんなときのための「裏ワザ」を3つ紹介します。
裏ワザ①:語源に分解して「意味のパーツ」を理解する
英単語の約80%はラテン語やギリシャ語を語源としています。
接頭辞・語根・接尾辞に分解することで意味が推測しやすくなります。
例を見てみましょう。
debilitate(衰弱させる) → de-(下へ)+ -bil-(力、ability)+ -ate(動詞化) → 「力を下へ引っ張る」→「衰弱させる」
juxtapose(並置する) → juxta-(隣に)+ pose(置く) → 「隣に置く」→「並置する」
benevolent(慈悲深い) → bene-(良い)+ vol(意志)+ -ent(形容詞化) → 「良い意志を持った」→「慈悲深い」
語源を使えば、丸暗記ではなく「理屈」覚えられます。
しかも、同じ語根を持つ他の単語まで芋づる式に覚えられるため、1つの語根を覚えるだけで5〜10語分の効果があることも珍しくありません。
すべての単語で語源を調べる必要はありませんが、「何度やっても覚えられない」という単語に出会ったら、まず語源を調べてみてください。



語源を調べるのには「Etymonline」というサイトが便利です。
裏ワザ②:Google画像検索で「視覚イメージ」をインストール
テクニック③で「頭の中でイメージを描く」と紹介しましたが、抽象的な単語ではイメージが浮かばないこともあります。
そんなときは、Googleで英単語を画像検索してみてください。
例えば、
- “deluge”(大洪水) → 街が水没している写真が出てくる
- “exuberant”(あふれんばかりの) → 満面の笑みで喜んでいる人の写真が出てくる
- “dilapidated”(荒廃した) → ボロボロの廃墟の写真が出てくる



1枚の画像が、100回の反復より強力な記憶のフックになることがあります。
裏ワザ③:英英辞典で「もうひとつの説明」を読む
パス単の訳語が1つだけだと、意味の輪郭がぼんやりしてしまうことがあります。
そんなときは、英英辞典(Oxford、Longman、Cambridge等)でその単語を引いてみてください。
例えば、パス単では cajole の意味は「言いくるめる」とだけ書かれています。
しかし英英辞典を引くと、
to make somebody do something by talking to them and being very nice to them
(優しく語りかけたり、とても親切にしたりして、人に何かをさせる)
「言いくるめる」だけではわからなかった「優しく、親切に」というニュアンスが見えてきます。
すべての単語で英英辞典を引く必要はありません。
ですが、「訳語を見ても意味がイメージできない」単語については、英英辞典の説明を読むことで意味が理解しやすくなります。



英英辞典はオンラインで無料で使えます。
Oxford Learner’s Dictionariesが読みやすくておすすめです。
やってはいけない!効率を下げるNG暗記法3選
「頑張っているのに覚えられない」という人は、もしかすると逆効果な覚え方をしてしまっているかもしれません。
NG①:ひたすら書いて覚える
中学・高校時代に「10回ずつ書いて覚えなさい」と言われた経験がある人は多いでしょう。
しかし、英検1級のように覚える量が膨大な場合、書いて覚えるのは非効率です。
1語を10回書くと約30秒。パス単2,400語を1周するだけで20時間以上かかります。
書く時間があるなら、その分「声に出してイメージする」回数を増やすほうがはるかに効率的です。
NG②:1ページを完璧にしてから次に進む
真面目な人ほど陥りがちなのが、「このページの単語を全部覚えるまで次に進まない」という完璧主義です。
英検1級の単語は難易度が高いため、1ページに何日もかけてしまうと学習効率が落ちます。
また、「全然進んでいない」という焦りからモチベーションまで低下します。
1周目は「10個中3個覚えられたら合格」くらいのスタンスでOKです。
覚えられなかった単語は、2周目以降に出会ったときにまた覚え直せばいいので、先に進むことを最優先にしてください。
NG③:日本語訳を何度も眺めるだけ
単語帳を開いて、英語→日本語をボーッと眺める。これを「復習」だと思っている人は要注意です。
「見ているだけ」では記憶は強化されません。
記憶を強化するのは「思い出そうとする」行為です。
訳語を隠して、自分の頭で意味を思い出す。
出てこなければ確認する。この「テスト→確認」のサイクルが、眺めるだけの数倍の効果を生みます。
6つのテクニックを使った「1語あたりの学習フロー」まとめ
最後に、6つのテクニックを実際の学習の流れとして整理します。
1語あたり1〜2分で、以下の手順を行います。
【1周目の学習フロー】
発音しながら、意味のイメージを頭の中に描く(テクニック②③)
コロケーションや使われ方を意識する(テクニック④)
例文の主語や目的語を入れ替えて、頭の中で簡単に作文する(テクニック⑤)
次の単語へ移る。2分を超えたら強制的に移動(テクニック①)
【2周目以降の学習フロー】
- 思い出せた場合:次の単語へ(スキップ)
- 思い出せなかった場合:1周目と同じSTEP 2〜4を実施
このフローを体に染み込ませれば、あとは周回を重ねるだけです。
1周目は時間がかかりますが、2周目以降は覚えた単語をスキップできるためどんどん加速していきます。
よくある質問(FAQ)
まとめ|「覚え方」を変えれば、同じ単語帳でも結果が変わる
英検1級の単語が覚えられないのは、あなたの記憶力のせいではありません。
「覚え方」が英検1級の難易度に合っていないだけです。
今回紹介した6つのテクニックをおさらいします。
| テクニック | ひとこと要約 |
|---|---|
| ①時間を区切る | 1語最長2分。回転率で勝負する |
| ②10回発音 | 口・耳・目の3チャネルで記憶に刻む |
| ③イメージ化 | 映像を頭に描きながら発音する |
| ④例文音読 | 単語を「点」から「線」にする |
| ⑤簡単な作文 | 生成効果で定着率をさらに上げる |
| ⑥想起テスト | 2周目以降は「思い出す→確認」の順番で |
加えて、覚えにくい単語には「語源分解」「画像検索」「英英辞典」の「裏ワザ3段階」で対処する。
そして、「書いて覚える」「完璧主義」「眺めるだけ」の「NG暗記法」は避ける。
これだけで、同じパス単を使っていても、定着率は劇的に変わります。
英検1級の単語学習は、たしかに大変です。でも、覚え方のコツさえつかめば、確実にゴールに近づけます。
あなたが「単語を制して」英検1級に合格できることを願っています。






コメント