- TOEICのリスニングで「何を言っているのか」まったくわからない
- TOEICのリスニングを伸ばすためにどんな対策をしたらいいかわからない
- TOEICのリスニングで「満点」を取る人はどんなふうに英語を聞いているの?
私はこれまでにTOEICのリスニングで満点を「何十回」と獲得してきました。
とはいえ、はじめから「当たり前」のように聞き取れたわけではありません。
「なんとなく聞き取れるかも」
「あれ、前よりハッキリ聞き取れる」
「なるほど、ここを中心に英語を聞けば理解しやすいのか」
と少しずつステップを踏んできました。
学習教材を上手に活用しながら、ほんの少し「コツ」をつかめば、リスニング力は確実に向上します。
私の経験を惜しげもなく書きますので、ぜひ今後のTOEICリスニング対策に役立ててください。
- TOEICリスニング対策でおすすめの学習教材
- TOEICリスニング対策の実践方法
- リスニング力を伸ばすコツ
- リスニング力を伸ばすのに重要な「本当のこと」
- TOEICリスニング満点取得者の英語の聞き方・習慣

TOEICリスニングの問題形式・構成
まずはTOEICリスニングの構成・問題形式から見ていきましょう。
- 試験時間(リスニングのみ)【約45分】
- 問題数(リスニングのみ)【100問】
- 満点【495点】
- Part数【全4Part】
リスニングは、全部で「4つのPart」に分かれています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Part 1:写真描写問題
写真を見て、その内容を最もよく表している文を4つの選択肢から選びます。
人物や物の位置、動作、状況などを聞き取り、正しい描写を判断する力が試されます。

上級者でも意外と点を落としやすいのがPart1。



写真全体を見て「このあたりの人物・風景・動作が狙われそうだな」と予測をつけておくとミスを防げますよ。
Part 2:応答問題
短い質問や発言を聞き、その返答として最も適切なものを3つの選択肢から選びます。
日常会話での自然なやりとりを理解する力が問われます。



Part2は問題文が印刷されていないよね?



そうそう!でも「3択」なので、落ち着いてリスニングすれば満点が狙いやすいPartです。
Part 3:会話問題
2人または3人の会話を聞き、内容に関する設問に答えます。
職場や日常の場面が多く、話者の意図や詳細情報の聞き取りが重要です。



会話自体はシンプルで聞き取りやすい印象だけど、どうかな?



Part4にも共通しているけど、「先読み」できないと高得点は難しいPartです。
話者によってアクセントやスピードに差があるので、さまざまな「発音」に慣れておく必要があります。
Part 4:説明文問題
アナウンスやナレーションを聞き、内容に関する設問に答えます。
ラジオ放送、留守番電話、ニュースなど、まとまった情報を整理して理解する力が必要です。



Part4を苦手とする人が多い印象だけど、「攻略法」はあるのかな?



リスニングの最後のPartなので「集中力」を維持できるかどうかがポイントです。
それと「疑問詞」に注意しながら質問を聞き取るのもポイントです。
TOEICのリスニングがなぜ聞き取れないのか?
ここからはTOEICのリスニングが聞き取れない理由を「分析」していきましょう。
英語の語彙力・文法力が足りていない
「知らない単語は聞こえない」
当たり前のことですが、これが「不変の真理」です。
語彙力が「3,000〜5,000語」程度あれば、なんとなく日常英会話はできますが、リスニングでは苦労します。
語彙を増やしていくことで「聞き取れる表現」が増えます。
文法に関しても同じで、英語の「文構造」や「ルール」を理解していなければ、英語を正確に聞き取れません。



初学者ほど「英文法」や「語彙」に力を入れましょう。
あとから英語が伸びるスピードが大幅に変わります。
英語の文構造が理解できていない
「文法力が足りていない」に通じるところがありますが、「英文の構造」が理解できていないと英語を聞き取れません。
私たちは日本語でも「予測を立てながら」相手の発話を聞いています。
例えば、「明日は雨が…」まで聞いたら
・「降るだろう」
・「降りそうだ」
と予測が立ちます。
母語では無意識ですが、頭の中では予測しながら発話を聞いています。
英語も上級者になると「予測を立てながら」リスニングすることができるようになります。
ただし、予測を立てるためには「英語の文構造」を理解していなければいけません。
“Tomorrow’s meeting will…”と来たら“be canceled”や“be postponed”などが次に来ることが予測できます。



英語の文構造や品詞の「知識」がある人は、このような予測を立てることができます。
英語のスピードやピッチに慣れていない
「語彙」「英文法」を十分に理解し、英文の構造も理解しているにも関わらず英語が聞き取れないことがあります。
その場合は英語の「スピード」や「ピッチ」に耳が慣れていない可能性が高いです。



リスニング量が不足しているため、習慣的に英語を聞くようにしましょう。
「YouTube」や「Podcast」を活用することで、スキマ時間でも英語の音に耳を慣らすことができます。
「ケンドラ・ランゲージ・スクール」や「BBC Learning English」は初学者から上級者までおすすめのチャンネルです。
最初は「10分程度」でも聞く習慣をつけていけば、だんだんと聞く時間も延びてリスニング耐性がついてきます。
英語のバリエーションに慣れていない
TOEICではアメリカ・イギリス・オーストラリアなど、さまざまな英語のバリエーションを聞き取らなければいけません。
国だけでなく話者によってもクセやピッチの違いがあるため、バリエーションに慣れておくことで聞き取りやすくなります。
私はイギリス英語やオーストラリア英語の聞き取りが苦手なため、それを補強すために「BBC Learning English」をPodcastで聞くようにしています。



英語のバリエーションによって、どうしても得意・不得意が生じるため、「弱点」は事前にカバーしておきましょう。
TOEICのリスニング対策・勉強方法
TOEICのリスニングが聞き取れない理由がわかったところで、「リスニング対策・勉強方法」について解説します。
英語の語彙・文法知識を増やす
「知らない単語は聞こえない(聞き取れない)」ため、シンプルに語彙を増やすことから始めましょう。
「単語帳」はそれぞれのレベルに合ったものを選ぶと良いですが、選ぶ際のポイントは下記の通りです。
- 初学者は、収録語彙数が「1,000語程度」かそれ以下のものを選ぶ(挫折しないためにスモールスタート)
- 単語と日本語訳だけでなく、例文も記載されているものを選ぶ(文脈で覚えたほうが良いため)
- 「発音記号」が書かれているもの or 音声ダウンロードができるものを選ぶ
- パッと見た「レイアウト」や「デザイン」が好みのものを選ぶ
- 紙の質感が好みのもの(めくりやすいもの)を選ぶ
これらのポイントを押さえられていれば、長く継続して使用することができるはずです。
まずは「1冊」、自分にフィットした単語帳を選びましょう。
初学者の場合は「文法知識」も増やす必要があるため、下記のようなライトな文法書から取り組んでみてください。
日常的に英語を聞く
上級者でもしばらく英語から離れているとリスニング力が大幅に落ちます。
日本語環境で生活しているため、意識的に英語を聞かない限り「英語耳」をつくることはできません。
「YouTube」や「Podcast」を有効活用し、スキマ時間でもいいのでコツコツとリスニングを続けましょう。
アプリを活用すれば効率的に「英語耳」を作り上げることができます。
リーディング力を鍛えておく
「リスニング力を伸ばすのにリーディング力?」と疑問に思われるかもしれません。
リーディング力が高い人は、まず間違いなくリスニング力も高いです。
文法や文構造を正しく理解し、瞬時に判断して英文読解できるレベルの人は、リスニングにおいても「予測」や「理解」の精度が高いです。



日常的に「英字新聞」や「英雑誌」で英語に触れるようにしましょう。
シャドーイングでアウトプットしながらインプット
自分では「英語を聞けている」と思っている人も「シャドーイング」を実践してみてください。
シャドーイングとは「英語音声を聞きながら、影のようにすぐあとを追いかけて発音する」英語学習法です。
例えば、”Could you tell me how to get to the nearest station?”という表現をシャドーイングする場合は、最初の”Could”が聞こえた瞬間にすぐにあとを追いかけます。
最初のうちは「あれ?思っているよりついていけない…」と感じると思います。
それくらい「自分が思っているリスニング力」と「実際のリスニング力」にはギャップがあります。



私は『ラジオビジネス英語』でよく「シャドーイング」の練習をしていました。
TOEICリスニング おすすめ参考書
ここからはTOEICリスニング対策に有効な参考書を見ていきましょう。



それぞれのレベル感に合わせて、まずは1冊をやり込みましょう。
『TOEIC L&R TEST 音読特急 速聴力をつける』
「良問を、愚直に音読。絶対ハイスコア!」を掲げる本書は、TOEICリスニングのPart3・4に特化したトレーニング教材です。
問題の質・難度・分量はいずれも本番同様で、パート3は13セット×3問、パート4は10セット×3問を収録。
実際のテストに即した演習が可能です。
さらに、通常速度に加えて 「1.2倍速」「1.5倍速」 の音声を使った練習にも対応。音読トレーニングを繰り返すことで「耳の進化」を体感できる構成となっています。
音読の効用としては以下の通りです。
- 音と理解をつなげる:英語の回路を頭に作る
- 単語・フレーズ習得:英語表現が身に付く
- 音の定着:正しい発音を練習することで聴きやすさが向上
- 理解・スピード強化:英語の語順に慣れる
- 理解・文法力の自然習得:文法力が自然と身に付く
スマホ完全対応の音声データ付きで、スキマ時間でも効率的にリスニング力を鍛えられる1冊です。
『公式TOEIC Listening & Reading トレーニング 2 リスニング編』
本書は、TOEICを開発するETS制作の公式問題380問を収録した トレーニング教材の第2弾です。
本誌に問題、別冊に正解・スクリプト・和訳を収録した分冊仕様で「効率的」な復習が可能です。
さらに、各パートから数問ずつをまとめた全20セクション構成で、 「1日1セクション」など計画的に学習を進めやすい設計となっています。
問題形式には「3人の会話問題」「意図問題」「図表問題」など多様なタイプを収録。 本番形式に直結した練習ができるのが特徴です。
また、スマホやPCで音声ダウンロードにも対応しており、 リスニング学習を場所を問わず行うことができます。
『極めろ!リスニング解答力 TOEIC® L&R TEST』
本書は、韓国で累計170万部突破のベストセラーシリーズ「極めろ!」「解きまくれ!」を日本語化した リスニング対策教材です。
イ・イクフン語学院による問題作成と、スタディサプリ講師・関 正生氏による 解説によって、「量」と「質」を両立させた1冊となっています。
TOEICスコアが700点前後で伸び悩んでいる学習者に向けた、やや難しめの良質な問題を大量に収録。 「問題を先読みする力」や「音声終了と同時に解き終える力」が鍛えられる構成です。
学習補助として、abceedアプリを通じた音声の一括ダウンロードやストリーミング再生に対応。
マークシート形式の機能も無料で利用でき、スマホでも快適に学習を進められます。
『TOEIC® L&Rテスト 精選模試 リスニング3』
シリーズ累計20万部を突破した「精選模試」シリーズ第3弾で、 990点講師陣が選び抜いた最新の500問収録。
本番想定の模試形式で、幅広いリスニング問題に対応できます。
模試は“5セット構成”で、それぞれ本番の形式を意識した問題を収録。
解答に至る過程や考え方、戦略を丁寧に解説し、 正答率やスコア予測機能も掲載されています。
さらに、学習を支援する無料ダウンロード特典付き。
音声ファイル(ZIP形式のMP3)は“OTO Navi”アプリでも利用可能で、 スマホでのリスニング学習にも対応しています。
「英語耳」をつくるための参考書籍
ダイレクトなTOEIC対策ではないですが、英語の「読解力」向上と「発音記号」の理解は重要なので、必要に応じて下記の書籍も参考にしてください。
『英語の読み方 リスニング篇 ─ 話し言葉を聴きこなす』
本書は、「読む力がリスニング力を伸ばす」という視点に立ち、 まずは読む力を鍛えることで話し言葉の特徴を理解し、 リスニング力を高めるための指南書です。
ニュースや映画予告編、首相・国王、実業家のスピーチなど、 いわゆる「本物の英語」を教材に活用。 リスニングの実力を段階的に伸ばせる構成となっています。
随所に独習のコツが掲載されており、 巻末にはすぐに使える定型表現20を収録。 日常的な学習から実践的な場面まで活用しやすい内容です。
章構成は次のとおりです。
- 第1章「話す英語の本質」
- 第2章「まずは読む力」
- 第3章「スピーディに読む技法」
- 第4章「定型表現は武器だ」
- 第5章「結論が見える」
- 第6章「アドリブ力を高める」
『英語「発音記号」の鬼50講』
本書は、明日香出版社の“鬼50講”シリーズ第1作として2021年11月に刊行された 英語の発音記号に特化した学習教材です。
B6サイズ・368ページで、通勤やスキマ時間にも携帯しやすいボリューム感です。
英語で使われる発音記号と、頻出の補助記号を「すべて網羅」して解説。 正確な発音習得のための土台を、しっかり固められます。
発音記号それぞれに対して、動画・写真・図を駆使した詳細な解説も掲載。
さらに、発音記号を単語と結びつけて練習する問題も多数掲載され、 実践的なトレーニングにも対応。
また、米語と英語(英国アクセント)の違いも扱っており、 各種英語試験や実用コミュニケーションに向けた発音強化に役立ちます。
“世界で通じる英語”のベースとなる「正確な発音」を身につけたい方に、 有用な1冊です。
TOEIC本番でのリスニング問題の解き方・コツ
本来は「リスニング力」自体を底上げしておくべきですが、本番で私が意識している「コツ」も紹介したいと思います。
Part 1:写真描写問題
先に写真全体に目を通し、「あたり」をつけておきましょう。
例えば、「女性が棚からファイルを取り出している」描写であれば”is picking”, “is reaching”, “shelf”, “file”などの表現が出てきそうと予測を立てておきます。
ただ、最近はPart1も難化しており「明らかに」出題されそうなポイントは避けられることがあります。
そのため、私は写真全体をサッと見て「2〜3箇所」に「あたり」をつけています。
頭の中にいくつか表現を思い浮かべておくと、「聞き逃し」のリスクを減らすことができます。
Part2:応答問題
Part2は問題用紙に設問が印刷されていません。
私の場合は、リスニングに全集中するために「目を閉じて」聞くことが多いです。
3択問題で内容も短いため、聞き漏らさないように集中力を保つことが大切です。
テンポよくスピーディーに進んでいくため、A・B・Cの中で「これが正解」とわかった時点でマークシートをすぐに塗りつぶしましょう。
迷った場合も深く考えず、サッとマークシートを塗りつぶして、次の1問に備えるほうが得策です。
Part3:会話問題 & Part4:説明文問題
前提として英語のバリエーションに慣れておく必要がありますが、本番の解き方のコツとしては「疑問詞」や「内容語」に注目することです。
会話が終わったあとの設問文には、ほぼ「疑問詞」が含まれています。
“What”, “When”, “Where”, “Why”, “Who”, “How”に注目しておけば、質問文を全部聞き取れなかったとしても、それらを足がかりに解答にたどり着くことができます。
また、「内容語」にも注意を払っておく必要があります。
英単語は基本的に「内容語」と「機能語」に分かれます。
「内容語」は「動詞」や「名詞」などの意味を持つ「語」です。
「機能語」は「冠詞(a, theなど)」や「前置詞(in, at, onなど)」のそれだけでは意味を形成できない「語」です。
リスニングでは、「機能語」を聞き逃しても文全体の意味を理解できます。
一方で「内容語」を聞き逃してしまうと「意味」をまったく理解できなくなってしまいます。
そのため、Part3・4では「内容語」をどれだけ拾えるかが勝負になります。
これらはあくまで「テクニック論」なので、本来は「リスニング力」自体を強化しておくべきです。
ですが、「本番で少しでも点数を上げたい」という場合は、これらのテクニックを意識してみても良いでしょう。
まとめ|リスニング習慣を身に着けてTOEICで高得点を目指そう
TOEICで高得点を目指す際に「満点」を取りやすいのはリスニングです。
- 日常的に英語に触れ、スピードやピッチに慣れつつ、さまざまなバリエーションにも対応できるようにする
- それに加えて、まずは1冊で良いので「参考書」をやり込んでおく
まずは、これらを意識して勉強してみましょう。
細かいテクニックもありますが、「語彙力」「文法力」「読解力」をベースに「リスニング習慣」を身に着けておけば、リスニングで高得点を取得することは難しくありません。
勉強習慣をつくったり、スキマ時間を活用するのに「アプリ」を使うのも効果的です。









自分の「弱点」を認識し、英語の「基礎力」を上げながら、リスニングも飛躍的に向上させていきましょう。
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