TOEIC 900点の壁を突破する「引き算」の戦略|800点台の停滞を打破する3つの【悪習慣】

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  • TOEICスコアアップのためにいろいろなことに取り組んでいるけど、なかなか900点を超えない…
  • 800点台で1年以上足踏みしていて、焦りを感じている
  • 900点超えのために「やらなくていいこと・習慣」ってないのかな?

「800点までは順調だったのに、そこから1年もスコアが変わらない……」

そんな焦りを抱えていませんか?

「800点台までは比較的スムーズにいったのに、900点で壁を感じる」という声をよく耳にします。

900点を超えるために必要なのは、「新しい問題集を買う」ことでも「睡眠時間を削ること」でもありません。

今持っている「非効率な学習習慣」を捨てることこそが、スコアを伸ばす「カギ」です。

本記事では、元高校英語教師で教育学を大学院で学んだ私が、実際に965点を達成した際に「やめて良かった」と確信した3つの習慣を紹介します。

第二言語習得理論(SLA)の観点から、なぜその習慣があなたの伸びを止めているのか、科学的根拠に基づいて解説していきます。

この記事でわかること
  • なぜTOEIC 800点台で「停滞」するのか
  • TOEIC 900点突破に必要な「引き算」の考え方
  • 捨てるべき3つの悪習慣と正しい学習法

執筆者の実績は下記のとおりです。
詳しく知りたい方は、ぜひプロフィールをご覧ください。

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目次

なぜTOEIC 800点台で「停滞」するのか?

TOEICで800点台というスコアは、一般的なビジネスシーンや就職活動では「十分高い」と評価される水準です。

でも、多くの学習者がこの段階で数ヶ月から数年に及ぶ「伸び悩み」を経験します。

エイゴリくん

これって、努力不足なんですか?

HITO

いいえ、違います。
800点台の停滞は、学習の質的転換が求められているシグナルなんです。

800点台が直面する「精度の壁」

800点台に到達した学習者は、基礎的な文法も語彙もTOEIC特有の形式にも慣れています

でも、900点を突破するためには、正答率を約85%から90%以上へと引き上げる必要があります。

「わずか5〜10%」の差を埋めるためには、知識の量ではなく、情報処理の「正確性」と「速度」を極限まで高めることが不可欠なんです。

スコア帯推定正答率求められる状態主な課題
700点台70〜75%基礎知識の活用期文法漏れ、語彙不足
800点台80〜85%応用力の定着期処理速度不足、注意力欠如
900点以上90%〜処理の自動化・洗練期ケアレスミス排除、情報統合

この段階での停滞は、既存の学習習慣が「900点レベルの処理負荷」に耐えられなくなっていることを示しています。

無意識のうちに行っている非効率な解法プロセスや、認知資源を浪費する学習法が、スコアの上限を規定してしまっています。

焦りの正体|自己効力感の低下

800点台の学習者は、過去に500点から700点、700点から800点へとスコアを伸ばしてきた成功体験を持っています。

だからこそ、

「同じ努力を続ければ900点に届くはずだ」

というバイアスに陥りやすいです。

でも、努力量に対してスコアが横ばいになる時期が続くと、自己効力感が低下し、学習に対する不安や焦りが生じます。

第二言語習得理論(SLA:Second Language Acauisition)では、不安や緊張が高い状態では、脳が情報の入力を拒絶し、習得効率が著しく低下すると言われています。

だからこそ、900点突破のための戦略は、単なる「勉強法の改善」に留まってはいけません。

学習者の心理的負担を軽減し、自信を取り戻させる「納得感のある理論的裏付け」が必要です。

TOEIC 900点突破のための「引き算」の学習パラダイム

800点台から900点を目指すプロセスは、「彫刻」に似ています。

すでに十分な塊(知識)は揃っています。

そこから不要な部分を削ぎ落とすことで、洗練された「英語処理能力」という形を浮かび上がらせる必要があります。

これが「引き算の学習」の核心です。

人間が一度に処理できる情報の量(ワーキングメモリ)には限界があります。

TOEICのリスニングやリーディングにおいて、800点台の学習者は依然として「音の聞き取り」や「単語のデコード」に多くのメモリを割いています。

  • 音声知覚を自動化することで、脳のリソースを「意味理解」に100%振り分けることができる
  • 返り読みや設問との往復という「余計な動き」を排除し、英文を左から右へ、一度読んだだけで完璧に理解できる

これらの「脳のオートパイロット(自動化)」を妨げているのが、これまでの学習で身についてしまった「悪習慣」です。

HITO

それでは、具体的にどんな「悪習慣」を捨てればいいのか、見ていきましょう!

TOEIC 900点のために「捨てた悪習慣」①|読解の「先読み」頼み

TOEICのPart 7対策では、「設問を先読みして本文をスキャニング」というやり方が定番とされています。

私もそのテクニックを信じていました。

実際のところ、

  • 設問を先に読んで
  • 目印を探しながら本文を流し読みして
  • 該当箇所をスキャニングして答える

という流れで800点台後半〜900点前半までは取れていました。

しかし、次第にこんな問題が出てきました。

「スキャニングしたけどわからない。あれ?これさっき読んだところじゃない?結局全文読み直してる…

つまり、「二度手間」をして時間と脳のリソースをムダにしていました。

先読みがもたらす「認知的な罠」

先読みを行う学習者は、設問で問われているキーワードを本文から探し出す「スキャニング(拾い読み)」に依存しがちです。

この手法には、構造的な欠陥が存在します。

文脈(コンテクスト)の欠落

キーワード周辺のみを読み取るため、文章全体のトーンや論理構成を見落とし、推論問題や内容一致問題で失点します。

時間ロスの増大

設問と本文を何度も往復することで、視線の移動や思考の切り替えに時間を取られ、最終的に時間が足りなくなります(いわゆる「塗り絵」の原因)。

心理的プレッシャー

「キーワードが見つからない」という焦りが、読解の精度をさらに低下させます。

「全文読解」へのパラダイムシフト

私はあるとき気がつきました。

「それなら最初から正々堂々と全文を読んだほうが、速いし、力もつくのでは?」

実際、900点ホルダーの多くは、先読みを最小限に抑え、本文を最初から最後まで丁寧に、かつ高速で読み切る「正攻法」を採っています。

一見遠回りに見えるこの手法が、結果として最も速く、正確に問題を解く「カギ」となります。

項目先読み・スキャニング全文読解(正攻法)
処理の方向断片的・往復運動直線的・一方向
理解の深さ局所的情報の検索全体構造の把握
ミスの種類引っかけ問題に弱いケアレスミスが激減
心理状態常にキーワードを探す焦り内容を楽しみながら読む余裕

全文を最初からきちんと読めるようになると、

  • 文脈を自然に理解できる
  • 設問もスムーズに解ける
  • 無駄な読み直しが減る

というメリットだらけでした。

全文読解への移行は、単なる解法の変更ではなく、「英語を英語のまま、文脈の中で理解する」という本質的な能力への回帰を意味します。

これにより、Part 7のトリプルパッセージのような複雑な情報統合が必要な問題においても、混乱することなく正答を導き出せます。

英文法「軽視」は「遠回り」だった

TOEICでは「スピード」が求められるので、どうしても「速く読むテクニック」に走りがちです。

私自身、以前はとにかく速読ばかり意識していました。

しかし、結局のところ、深い文法理解がないと限界がくることに気づきました。

文法がしっかりわかると、

  • 複雑な英文も一瞬で構造が見える
  • どこが主語・動詞・目的語か迷わない
  • 文章全体の流れが自然に頭に入る

私は改めて、文法参考書をじっくり読み直したり、英文解釈問題集で構造把握の訓練をしたりと、「基礎固め」に時間を割きました。

「文法学習」の重要性については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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TOEIC 900点のために「捨てた悪習慣」②|リスニングの「聞き流し」

リスニングについても、私は大きな勘違いをしていました。

「TOEICで800点くらいになれば、ある程度、英語を聞き流しても自然に耳が育つだろう」と考えていました。

しかし、現実は甘くありませんでした。

毎日聞いているはずなのに、

  • ぼんやり内容を聞き流すだけ
  • 細かい意味が取れない
  • 選択肢に惑わされる

という状態が続いていました。

「英語を浴びるように聞けば、いつか耳が慣れる」という考え方は、800点台で停滞する学習者が最も陥りやすい罠のひとつです。

意味を伴わない、あるいは注意力を払わない「聞き流し」は、脳にとって「背景雑音」として処理されるだけです。

リスニング力向上には、まったくと言っていいほど影響しません。

シャドーイングがリスニング力を変えた

そんなときに実践してみたのが、「シャドーイング」です。

「シャドーイングがいいらしい」という噂は知っていましたが、正直、そこまで重要視していませんでした。

しかし、実際にやってみると「まったく英語についていけない」…

  • 単語が聞こえても、意味のまとまりがわからない
  • 文章の区切りが見えない
  • フレーズごとの自然な流れがわからない

自分のシャドーイングに対する認識の甘さを痛感しました。

HITO

シャドーイングができる=英語の構造・コロケーションを理解できている証拠です。

音声知覚の自動化とシャドーイングの威力

リスニングのプロセスは、大きく「音声知覚(音が何と言っているか認識する)」「意味理解(内容を理解する)」に分けられます。

800点台の学習者がリスニングで満点近くを取れない理由は、音声知覚が不完全なために、意味理解に割くべき脳内リソースが枯渇していることにあります。

シャドーイングは、この音声知覚を徹底的に鍛え、自動化するための「高負荷トレーニング」です。

音声知覚の自動化

聞こえてきた音を即座に模倣することで、脳内に英語の正確な「音のモデル」を構築します。

プロソディの習得

英語特有のリズム、イントネーション、連結(リエゾン)、脱落(リダクション)を身体的に覚え込みます。

意味理解の同時並行

最終的には、音を追いながら同時に意味を把握できるレベル(コンテンツ・シャドーイング)を目指します。

負荷の調整と「i+1」の概念

漫然とした聞き流しをやめ、1日15分でも集中したシャドーイングを行う方が、学習効果は圧倒的に高いです。

ここで重要となるのが、第二言語習得理論における「i+1」の概念です。

自分の現在のレベルよりもわずかに高い負荷をかけることで、脳は適応し、成長します。

シャドーイングの手順は、下記のとおりです。

  • スクリプトの精読:知らない単語や文法をゼロにし、内容を完璧に理解する
  • オーバーラッピング:テキストを見ながら、音声と完全に一致させて発音する
  • プロソディ・シャドーイング:テキストを見ずに、音の再現のみに集中する
  • コンテンツ・シャドーイング:意味をイメージしながらシャドーイングを行う

このプロセスを経ることで、リスニングセクションの音声が「ゆっくり、はっきりと」聞こえるようになります。

それは単に耳が慣れたのではなく、脳内の処理効率が劇的に向上した結果です。

HITO

このトレーニングのおかげで、英語を聞くときにも「構造を予測しながら聞く力」が身につきました。

ナチュラルスピードにも余裕を持って対応できる「リスニング力」が獲得できます。

TOEIC 900点のために「捨てた悪習慣」③|「やる気」頼みの勉強スタイル

最後に、意外と大きかったのが「環境の整備」です。

TOEIC 800点台まで到達した学習者は、元来、努力家であり強い意志力を持っていることが多いです。

しかし、900点への道筋において「今日も頑張って勉強しよう」というやる気頼みのスタイルを続けることは、特に多忙な社会人にとって大きなリスクとなります。

勉強に集中できなかったときは、下記のようなスタイルでした。

  • スマホを手元に置きながら勉強
  • 集中できないとすぐ中断
  • やる気が出たら頑張ろうと考える
HITO

しかし、人間はそもそもやる気を維持できない生き物です。

ウィルパワーの消耗と環境設計

心理学の研究によれば、人間の意志力は朝起きたときが最大で、意思決定やストレスによって1日の中で消耗していきます。

仕事で疲れ切った夜に「さて、今からTOEICの難問を解こう」と思っても、脳が拒絶するのは生物学的に自然な反応です。

そのため、成功の鍵は「意志力を使わずに学習を開始できる環境」をいかに構築するかにかかっています。

学習の自動化

「朝起きてコーヒーを飲んだら単語帳を開く」「通勤電車でアプリを立ち上げる」といった具合に、既存の習慣に学習を紐付けます(If-Thenプランニング)。

物理的環境の整備

スマホの通知をオフにする、机の上を片付ける、あるいは「ここに行けば勉強しかしない」という専用の場所(カフェや自習室)を確保します。

ノイズの排除

学習を妨げる要因(SNS、動画サイト)を物理的・システム的に遮断します。

「できるだけ意思を介在させず」に仕組みとシステムで学習を回していくことが大切です。

「環境」を変えると、簡単に「集中力」が変わる

私が実践したことは、下記のとおりです。

  • iPhoneの「集中モード」を使う
  • 通知をすべてオフにする
  • デスクの上に英語教材や飲み物以外は置かない

それでも家で集中できないときは、スタバやカフェに行き、「ノイズキャンセリングイヤホン」「ホワイトノイズ」を流しました。

また、YouTubeで「超集中」BGMを流しながら勉強することも多かったです。

集中力を環境でブーストできるようになると、1回あたりの勉強密度が一気に上がりました。

2時間は一気に集中することができます。

「Atsueigo」「河野玄斗さん」のYouTubeチャンネルに「勉強用BGM」がアップされているので、よく聴かせてもらっています。

モチベーションの質的転換

800点台後半で停滞している時期は、スコアという「外発的報酬」が得られにくいため、モチベーションが低下しやすいです。

ここで、英語学習そのものに喜びを見出す「内発的動機づけ」をいかに組み込むかが重要となります。

成功体験の創出

小さな目標(例:今日はPart5を全問正解する)を設定し、達成感を積み重ねることで「有能感」を高めます。

実用性への接続

TOEICの素材を単なる試験対策としてではなく、ビジネスの知見や世界のニュースとして楽しむ視点を持ちます。

私自身の実体験としても「意志力」を信じるのをやめ、環境を整えることに全力を注いだ結果、集中力が劇的に向上しました。

HITO

最終的に965点というスコアのみならず、英検1級の合格にも繋がりました。

まとめ|悪習慣を捨ててTOEIC 900点オーバーへ

TOEIC900点を超えるために、私は「何をやるか」以上に「何をやめるか」にフォーカスしました。

仕事や日常生活でも同じです。

「やらないこと」を決めることで、想像以上に「時間」ができ、「集中力」が一気にアップします。

そもそもスマホにソーシャルゲームなどのアプリが入っていなければ、集中力や時間を消費(浪費)することもなくなります。

TOEICで900点オーバーをコンスタントに取れるようにするために、まずは「やらないこと」を決めてみてください。

  • 先読み頼みをやめて、全文読解へ
  • 聞き流しをやめて、シャドーイングへ
  • やる気頼みをやめて、環境整備へ

その結果、TOEICだけでなく、英検1級にも合格できました(ちなみに、英検1級には5〜6回落ちています)。

「今のやり方は、本当にベストだろうか?」「意思に頼らずに習慣化できないだろうか?」

一度立ち止まって、自分自身に問いかけてみてください。

「悪習慣」を手放した先に、きっと新しい景色が広がっています。

900点突破は単なる数字の達成ではなく、英語を「自分の道具」として使いこなせるようになった証です。

不要な習慣を捨て、本質的なトレーニングに集中することで、景色は必ず変わります。

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この記事を書いた人

1990年生まれ。
静岡県在住の英語ブロガー。

英語が好きで、大学卒業後は高校の英語教員になるも、1年も経たずに退職。

翌年に大学院に進学し、一念発起で英語の勉強をやり直し。

大学院卒業後は、中小企業に就職し、総務と人事を経験。
2024年4月に転職。

特技は英語。
TOEIC965点。30代で念願の英検1級に合格。

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