
「TOEICは速く読めばスコアが伸びる」──そう信じていた私は、800点台後半で足踏みしていました…。
何回もTOEICの公開テストを受け、時間内に長文(Part 7)を読み終えても、「自分の英語力が上がっている」という実感が湧かなくなっていました。
本当の「英語力」とは、何だろう?
その問いを突き詰めていった先に見えたのが、文法──英語の「構造理解」の重要性でした。



この記事では、私が実体験からたどり着いた「英語力の本質」について、そしてTOEIC900点突破に直結した「文法力強化の最短攻略法」について解説します。
本記事の構成
本記事では、以下の流れで進めていきます。
- TOEICスコアが伸び悩んだときの気づき
- なぜ「文法力」がスコアアップと直結するのか
- 「文法力」をどう鍛えたのか(具体的手法)
- 「文法力」がスコアにどう結びついたのか
- 英文を「読む速さ」は、「英文構造」理解の「深さ」に比例する
- まとめ:TOEIC学習や英語学習の本質に立ち返ろう
本記事の信頼性
この記事は、TOEIC965点・英検1級を取得した筆者が、実際に「速読偏重」から「文法重視」へと学習方針を切り替え、TOEIC・英検ともに得点を飛躍させた体験をもとに書いています。
英語力を「テストの点数」だけで終わらせず、「一次情報に直接アクセスできる本物の英語力」へつなげたいと考えている方に向けて、真剣に届けたい内容です。
TOEICスコアが伸び悩んだ頃の話
当時の私は、目を速く動かし、内容を「なんとなく」つかむ速読(主にスキャニング)を重視していました。
- 目だけを速く動かして、意味は後から補完
- 文構造を無視して飛ばし読み
- 雰囲気で答える
この方法でも800点後半までは到達できます。
しかし、900点台をコンスタントに取得できるようになるまでに「壁」にぶつかりました。
- 文章の流れを読み違える
- 設問で迷ってタイムロス
- 本文を何度も読み直す



本当の課題は、「速さ」ではなく「理解の深さ」にあるということに気がつくのに時間が掛かりました。
なぜ文法力がスコアアップに直結するのか?
私が行き着いた結論は、下記の通りです。
速読とは、「目を速く動かすこと」ではない。
速く正確に理解するためには、「構造」を瞬時に見抜くことが不可欠だ。
文法力が備わると、
- 主節(主語・述語)を一瞬で特定できる
- 枝葉(不定詞・関係詞・前置詞句など)に惑わされず、骨格を捉えられる
- 修飾関係や因果関係を直感的に理解できる
結果、読むスピードと正確さが自然に高まります。
速く読もうとしたから読めるようになるのではない。
深く理解できるから、速く読めるのです。
「文法力」をどう鍛えたか?
ここからは、私が「文法力」を鍛えるために取り組んだことについて解説していきたいと思います。
文法参考書で土台を整え、精密な構造読みへ進んだ
まず、『キク英文法』や『英文法ポラリス1』などを用いて、「英文法」の全体像を押さえながら基礎を再確認しました。
『英文法ポラリス1』については、下記の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。


高校生のときにガッツリ「英文法」に取り組んでいましたが、それ以降はあまり文法にフォーカスしてこなかったので、改めて「基礎固め」をすることにしました。
しかし、単なるルールの暗記では限界があることにも気づきました。
そこで私は、より深く構造を捉えるために、『英文解釈教室』『英文解体新書』といった英文の骨格を見抜く力に特化した解釈書に取り組みました。
- 幹(主節の主語と述語)を最優先で見抜く
- 枝葉(不定詞、関係詞、前置詞句)を後から補完する
- 複雑な構造も読みほぐし、正確に把握する
この精密な読み込みで、私の「英語読解力」を根本から支える「基礎」ができあがりました。
「文法力」がスコアにどう直結したか?
文法を鍛えた結果、明確な効果が現れました。
- Part 7(長文問題):全文を自然に速読できるようになった(時間も5分程度余るように)
- Part 5(文法問題):秒速で正答できるようになった(1問あたり、長くても10秒で解答)
- リスニング:意味構造を予測しながら聞けるようになり、聞き取り精度が向上した



読む・聞く・解く──すべての英語力が底上げされ、スコアも自然に伸びていきました。
英文を「読む速さ」は、「英文構造」理解の「深さ」に比例する
私はかつて、「速く読むこと」ができれば、TOEICで高得点を取ることは容易だと思っていました。
しかし、本当に英語を自由に操るためには、表面的なスピードではなく深層的な構造理解が必要だと痛感しました。
TOEICに関しても、「800台後半」くらいまでは「スピード」と「問題への『当て勘』」でたどり着くことができます。
ですが、それだけでは「本質的な英語力向上」には至りません。
英語を読むたびに感じたのは、
幹を見抜き、枝葉を補う──この積み重ねこそが、速さと正確さを生むということ。
英文の(特に主節の)「主語」と「述語」を早く・性格に理解し、その他の「修飾語」はあとから「補っていく」イメージで英文を読めるようになると、「スピード」「理解度」ともにレベルアップします。
また、単なる試験対策を超えて、英字新聞や専門誌を自由に読める力──世界中の一次情報に直接アクセスできる力──こそが「本物の英語力」だと確信するようになりました。
英文を「読む速さ」は、「英文構造」理解の「深さ」に比例する



これは私自身の信条ですが、「文法理解なくして、英語の上達はない」と考えています。
まとめ:TOEIC学習や英語学習の本質に立ち返ろう
TOEIC900点突破を目指すなら、速読テクニックに頼る前に、文法理解を徹底的に鍛えるべきです。
- 英文の骨格を瞬時に把握する
- 枝葉に振り回されず、情報を正しく拾う(枝葉の情報=修飾情報を軽視していいわけではない)
- 速さも正確さも、深い構造理解から生まれる



TOEICのスコアアップも、その先にある「英語を自由に使う力」も、すべては文法力という地力に支えられているのです。
今、スコアが伸び悩んでいるなら、「速さ」だけを追いかけるのではなく、「深さ」へと一歩踏み込んでみてください。
英語の本質に触れるために、そして、本当に英語を使いこなせる自分になるために、文法という言語のフレームワークは、決しておろそかにしてはいけません。
私の体験が、あなたの学習のヒントになれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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